1212人が本棚に入れています
本棚に追加
/341ページ
「そういえば、御厨さんとこの月菜ちゃんって、もうすぐ結婚するのかしら? まどかちゃん、昔から仲良しでしょう?」
へっ!? 月菜が結婚!?
「えっと……私はなにも聞いてませんけれども……」
どういうことだろう? と軽く混乱しながらも率直に答えると、おばさんは少し残念そうに「あらぁ」と声のトーンを落とした。
「そうなの? この間、東京のホテルで男性と一緒のところを見かけたから、もしかしてと思ったんだけど」
「はぁ……」
たぶん彼氏と小旅行にでも行ったのかな。まぁ、私たちの年齢から言えばしょうがないんだろうけど、男性と二人だけでいたからって、即結婚ってことにはならないと思うんだけどなぁ。九十九のおばさんはウワサ好きだから、ヘンなふうに広まらないといいけど……。
ちょっと牽制しておいたほうがいいのかな、と思案していると、おばさんはまたまた「そういえば」と話題を変えた。
「まどかちゃんは、これ以上ないくらい良いお相手だわね。この間、話を聞いてビックリしちゃったわ。ご両親も喜んでいらっしゃるでしょう?」
ええっ!? 今度は私!?
最初のコメントを投稿しよう!