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「だいたい、桜木さんは贅沢なんですよ。この百瀬克哉が作ったまかないを毎日食べているというのに、更に世界のグルメを楽しみたいだなんて」
「あっ、そ、それは……確かにそうかも！」
この間、家で夕飯を食べていた時に気が付いたんだけど、お味噌汁や煮物の味に物足りなさを感じたというか……。
いえ、決して文句じゃないんです。そもそもプロと主婦という時点でレベルが違うわけだし、お母さんが仕事で忙しいのも重々承知しているから、夕飯に時間をかけてはいられない。パパッとできる時短おかずがほとんどなのは、しょうがないことだ。
だけどそのぶん、顆粒のだしの素を使っていたり、めんつゆ一本で済まされていたり。もちろんそれでも十分おいしいんだけど、「あれっ？ 何か違う」って感じるものがあったんだよね……。
それはたぶん、旨味成分を掛け合わせて生まれる相乗効果だったり、精製した塩や砂糖では持ちえないミネラル成分や、味の奥行きや濃さなんじゃないかな。プロならではのさじ加減もあるだろうし。
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