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「こんな所で何してるの?」
不意に声をかけられて視界を覆っていた自分の手をどけると、空と同じ青いデニムのワンピースが目に入った。
「奈波…。」
防波堤に横たえていた自分の体を半分起こして、声のする方を見る。
声の主?奈波は俺の隣へと座ると、防波堤へと足を投げ出してバタバタと動かし始めた。
奈波は港町には似つかわしくないくらい、色が白い。
それはおそらく、この町の出身ではないからだと思う。
奈波は俺たちが小学校4年生の時に都会から引っ越してきた。
奈波の両親が調理師をしていて、この町で採れる魚や野菜などに惚れ込んでレストランをオープンさせる為にこの町へとやって来たのだ。
この町の人間ではない奈波だったが、不思議とこの町に、俺たちに馴染んでいった。
「そんなに足バタつかせて、海にサンダル落としても知らねーぞ。」
俺の忠告に、一瞬大きな目を更に大きくさせて驚いて足を止めたが、またすぐに動かし始めた。
「その時はその時だよ。ねぇ、洋人と何があったの?」
奈波が俺の顔をじっと覗き込んだ。
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