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そのぬいぐるみは、4歳になったばかりの鈴ちゃんにプレゼントされました。
「わーい! にゃにゃふいちゃん。ママ、ありがと!」
―――鈴ちゃん、かわいすぎ。今後とも、どうぞよろしくなんだよねー。
鈴ちゃんはすぐに気に入って、琴さんに止められたお風呂以外はどこへでも連れて行きました。
ある日、鈴ちゃんはいつものようにニャニャフィと遊びに出かけました。
よく泥遊びをする空き地の向こうに、ちょっとした林が見えます。
琴さんと手をつないで林の中まで入ってみると、近くにぽっかりと穴が開いているのが見えました。
落とし穴でしょうか、なんのための穴なのかはわかりませんがけっこう深そうです。
―――なんか、嫌な予感がするんだよねー。。。
鈴ちゃんは急に怖くなって琴さんの足にしがみつきました。
その瞬間。
ニャニャフィは鈴ちゃんの手から放り出されて穴の中へ。まるで奈落の底に落ちていくようでした。
―――やっぱりー! こういう展開だと思ってたよねー!!
気がつくとそこは、なにやら研究室のような施設に見えます。
薬品の並ぶ棚の間に落ちたニャニャフィを拾い上げたのは、覆面をしたガタイのいい人物でした。
その覆面には線のような目と口だけ書かれていて、ちょっと長い耳が2つくっついています。
「クックック。面白いものが手に入りました」
―――なにこいつ。さらに嫌な予感なんだよねー。。。
その人物はニャニャフィを手術台のある部屋に運びこみました。
台の上に寝かされたニャニャフィは、手足を大の字に拘束され、頭にはなにやらコードがたくさんついたヘルメットのようなものをはめられています。
恐怖に震えるニャニャフィの頭上では、同じ覆面をした人物が何人もこちらを覗きこんでいました。
少し離れたところにいる別の覆面が、赤いボタンを押します。
すると、ニャニャフィの全身に強い電流のようなものが流れてきました。
「我が秘密結社『ちょっと耳長めでしっぽ丸い団』の手足となればよかろうなのです」
―――やめろおお! ちょっと耳長めでしっぽ丸い団ー!! なんだよねー!!!
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