第1章

10/16
前へ
/16ページ
次へ
翌日、いつものバス停で彼女のドキドキを感じながらバスを待つ。 いや、彼女が待っているのはあいつ。 声をかけれるか? 昨夜は眠れずに、ずっと「絶対にもう1回ちゃんとお礼を言う」って呪文のように唱えていたから。 俺がわざわざ、話をするきっかけを作ってやったんだ。頑張れよ。 通りの向こうから、あいつが走ってきた。 へぇ、足が速いんだ。 みるみるうちに近づいてくると、彼女の前で足を止める。 珍しい。 バス停には誰もいないけれど、いつもは少し離れた所にいるのに。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加