第1章

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日曜日の朝、彼女は買い物に行く準備をしながらため息をついた。 「週末って寂しいよね」 カバンをテーブルに置いて、揺れる俺を人差し指で撫でながら呟く。 「学校がないとあの人に会えないもの。冬休みとかなければいいのに。絶対じゃないけれど、あの人も大学生だよね?働いているなら、冬休みも学校まで行くのにな。それなら週末以外は会えるでしょ?」 まるで秘密を打ち明けるように小声で俺に話す彼女は、本当に可愛い。 あいつのどこがそんなにいいんだ? 俺の疑問が聞こえたかのように、彼女はあるエピソードを話し始めた。
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