第3章

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 そして昼近くになってもレイフの容体は一向によくはならない。 シムも、ただ、言葉も無くそこに座っていた。 マックスは何気なくスマホを見た。ニュースが気になったのだ。 やはり、ブルレックの爆破はテロということになっていた。 死んでいた男は、国際指名手配されていたアラブ系の殺し屋だということだ。「過激派に雇われた可能性」と、書かれていた。 マックスはため息をついた。 そういうことをあまり考えていなかったが…警察に行った方がいいのかもしれない…と、思った。でないとこれからも、また自分のせいで怪我をする人が出てくるかもしれない…。 だが…。 警察に行くと、レイフの都合が悪くならないだろうか…。 …やはり、警察には行かない方がいいのだろうか…。 だが、もしまたこんなことがあったら…。でも、レイフが…。  突然、バタバタと看護士や医師の動きが慌ただしくなった。 二人は立ち上がって、ガラス超しにレイフを見つめた。 たくさんの白衣を着た人間がレイフの周りに集まって何かしている。 レイフの容体が、悪いのだ。 マックスは涙が出そうだった。 自分を助けに来てくれたのだ。それが…自分はかすり傷一つなく、レイフは生死の境を彷徨っていいる。 「………このガラスの向うにいるのは…ホントなら…レイフじゃなくて…俺のはずなんだ…」 シムがようやく聞き取れるほどのか細い声が、マックスの喉から零れ落ちた。 と、同時に涙も…。 シムは黙って、マックスの肩に手を置いた。
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