第3章

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 ニールは小声で 「何があった」 と、聞いた。 「チェリーとはぐれるまでの話は、チェリーから聞いた。その後だ…」 「…チェリーとはぐれた時、スタッフの制服を着たヤツに、銃を向けられてたんだ。そいつに、裏口に仲間がいるって言われて…フロアーから出ようと思って…戻ったんだ。そこでレイフに会った」 ニールは辺りの様子を伺うように、少し視線を廊下の向うにやった。 誰もいない。 「レイフと二人で、玄関から逃げようとしてたんだけど…レイフが調理場に隠れようって…」 「そこで、レイフはあの死んでいた男に撃たれたのか」 「うん」 マックスは少し間を置いて、頷いた。 「男は首を絞められていた。君が?」 マックスは全力で首を振った。 「違う」 「では、レイフが?」 マックスはもう一度、レイフが男に撃たれた場面を思い出した。 「まさか…レイフは…撃たれてものすごく血が出てた」 「他に誰かあの男をやれそうな人物はいたのか?」 「いや…でも…まさか…」 「君は何故意識を失っていたんだ」 「レイフが撃たれたから…殴ろうとしたら殴られて…それから…覚えてない…」 「その時レイフは生きていたのか?」 「過去形にするなよ!レイフは今でも生きてる!」 マックスは思わず大きな声で怒鳴った。 「悪い…」 ニールは黙った。 「…レイフは、、、生きてる…」 マックスはかみしめるようにそう言った。 「マックス、よく聞いて欲しいんだが…」 マックスは、少し自分を落ち着かせようと、顔に手を当てた。 「…うん…」 「あの男たちは、俺を狙っていた。チェリーから聞いた話では、そうだ…」 「俺のことも狙ってた…。そう言えば…他のお客さんとか…どうだった?誰か…」 「重体は、クロークにいた従業員とレイフだけだ…。後は重傷者が…何人か…」 マックスはうなだれた。みんなが怪我をしたのは自分のせいでもあるような気がした。泣きたい気分だ。同時にとても腹立たしい。 「レイフに何かあったら、今度は俺があいつら探して殺してやる…」
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