第3章

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   また夜が来た。 真っ暗だ。足元を照らす月明かりさえない。なのに、強く光る星が天で大きく輝いている。  やがて、朝の光が緩やかにレイフに届く。  この繰り返しだ。 真っ暗な闇と強い光の世界と、柔らかい光の世界が、レイフの周りに交互にやってくる。 誰かの指が、髪に触れた気がした。 母親なのか…、やっと見つけたのか… 「ママ…」 と、言いたいが声が出ない。 でも、自分が探していたのは、本当に母親だったのだろうか…。  光が瞳に薄っすらと、差し込んでくる。 レイフはしばらく、白い世界をぼんやりと見ていた。 と、次の瞬間、目の前に突然、顔が現れた。 「レイフ!」 また、あの絵本の人だ…、、、 いや、 ……… マックスだ。 ……… マックスだ……… 頭がぼんやりとしている。 今どういう状況なのかわからないが、レイフは何だか少し安堵した。 「レイフ!レイフ!レイフ!」 マックスはレイフの顔中にキスをした。 「レイフ!」 レイフの頬を涙が伝った。マックスの涙だ。 「レイフ、愛してる、愛してる、愛してる!」 マックスが「愛してる」と言っている…。 不意に…レイフの唇が全ての想いをかたどった。 「俺も…愛してる…」 朦朧とした意識の中で、マックスがそういう意味で言ったわけでは無いとわかっていた。 「え?何?」 マックスがレイフに近付く。 「何?レイフ?」 伝わらなくていい、いや、伝わらない方がいいのだ。 ただ、言いたかった。本当は、ずっとそれを言いたかったのだ。 レイフの愛情が生み出したその言葉が、レイフの中の何かを変えた気がした。 「何か言った?」 マックスは更にレイフに耳を近づけた。 マックスの髪に隠れた、金色の小さな花が…ぼんやりと瞳に映った。
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