第1章

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「バカか」 触れた指先からマックスの体温が伝わってくる。 微笑んだマックスの表情を見つめた。 ふいに、思い出した。 マックスの、キスの感触を。 時々ふとした時に思い出すのだ。 多分事故だった。マックスは薬でおかしくなっていた。 だが、レイフはその感覚をまるで昨日あったことのように、思い出す。マックスの、ほんのりと温かな吐息までもだ。何度も、何度も。 「あつあつだな」 マックスは笑っていた。レイフの気持ちなど気付くことも永遠に無いだろう。 その方がいい。
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