第2章

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第2章

 当日、レイフはマックスの誕生日のプレゼントを買う為に昼過ぎから出かけた。 夕方からワインの展示会に行く予定があるのだ。その前に買い物を済ませたいと思った。 出かける前、もしマックスが起きていたら一番に「ハッピーバースディ」を言おうと思い、部屋の扉をそっと開けたが、、、マックスは大量の衣類に埋もれて眠っていた。 まぁ、仕方ない。夜、プレゼントと共に言葉を贈ろう。 レイフは諦めて家を出た。  この数日間、普段絶対にしないウインドウショッピングに時間を費やし、だいたいの品は決めていた。 マックスの耳に合うピアスにしようと思った。 マックスは、いつもあまり目立たないプラチナ製の小さな丸いものを飾っている。 昔付き合った彼氏にもらったと言っていた。他に特に欲しいピアスが見つからないので、何となくしているそうだ。何かしておかないと穴が塞がってしまうらしい。 その為だけのピアスだ。 それなら別に塞がってしまってもいいと思うのだが…。 あれこれ迷って、レイフは、とても細い小さな金細工で十字架なのか花なのかを象った、ダイヤが入ったものにした。 髪で隠れて見えないが、小さな花はマックスの清楚な顔立ちに、きっとよく似合う。
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