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海と空がぶつかり合う水平線の向こうには何があるのだろう?
地球は丸い。だから、水平線の向こうもずっと海と空が続くのだろう。
そう知ってしまったのは、学校でそう天動説と地動説を習ったからだ。
なんとなく、つまらない。
膝の上に開いたカンバスの上に黒の色鉛筆を置き、大輝は小さく溜息をつく。そして、また夢想しようとする。
天動説を信じていた昔の人々は、水平線をどういうふうに見ていたのだろう?
地球ではなく空の方が、宇宙が回転していると信じていた人々だ。
海と空が合流したら、どんなふうになるのだろう‥‥と思った人はいただろうか?
海と空が混じり合ったら?
潮風で不ぞろいに伸びきった髪の毛がよけいにばらばらになるのを抑えるように、大輝は頭に両手をあて、髪の毛を一撫でした。
そんなことあり得るわけがないことを大輝は知っている。
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