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わたしたちに気づいて悪魔が身を起こした。
こちらをひたと見据える黄金色は凪いでいる。
それは静かに、自分の終わりを待っていた。
「君たちは?」
警戒も何もない、疑問のみの言葉。
そして、幾らかの安堵。
わたしたちが殺してくれると思っているのだろうか。
そんな訳ない。
そんな世界は都合良くできていない。
貴方はそれをよく知っている筈。
わたしは悪魔に向かって一歩踏み出す。
森の中の開けた小さな広場のようなそこは悪魔が座っているとかなり狭くて、1人くらいしか広場に足を踏み入ることができなさそうだったのだ。
勿論、木々の合間に姿を隠すものたちもいるけれど。
「わたしたちは、貴方へ提案をしに来たのです。」
わたしは多分とても歪に嗤っていた。
「我が国へ仕えてくれませんか?」
悪魔の黄金の瞳の中で、焔が灯った。
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