―私の先生が、のびタロウである理由―

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しかし、その日の放課後 私とコウは、本当にゴリラ山根に呼び出された。 「さっきタレコミがあったんだが オマエら二人して鳴坂先生に絡んでた…っていう話は本当か?」 職員室の端に立たされ、ジャージ姿の山根に凄まれる。 タレコミってアンタは刑事かよ?と そのオッサン臭い顔を眺めながら、胸のうちでツッコむ私。 「……ウソです……」 私の隣に立ち、ボソリと山根の言葉を否定するコウを見て 本気でバカだなコイツ…と思った。 「おいおい。ウソって、どういうことだ? 胸ぐらつかんで、先生のこと怒鳴りつけてたんじゃないのか? 違うなら、どんな状況だったのか説明してみろ、石上」 「‥‥胸ぐらはつかんでません。つかんでたのは肩です‥‥‥」 おバカのコウが、まだボソボソ。 素直に謝らないとマズいことになるって、何でわかんないのかな? 「どっちだって同じなんだよ! 貴様ら二人とも、このままじゃ親呼び出しだぞ?停学だぞ?わかってるのか?」 職員室じゅうに響き渡る大声で、山根がそう叫んだ瞬間…ガラガラ 前の扉が開き、ひょっこりと入ってきた細長い人影に 私はハッとする。
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