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『なあ、バトル物の漫画やアニメでさ、自分みたいに眼鏡をかけてる奴相手に、主人公とかが顔面を殴り付けると、眼鏡が“パリンッ”て割れる演出があるだろ。あれってさ、実際に起こると思うか?』
高校の帰り道に、同級生の男子二人と歩きながら、何気無く尋ねると、二人とも首を捻って。
『どうなんだろうな?。俺は眼鏡をかけていないから、何とも言えないな』
もう一人の同級生も頷いて。
『眼鏡って、硝子で出来ているのか?』
自分は眼鏡をかけていない同級生達に対して首を横に振って。
『いや、自分がかけている眼鏡もそうだけれど、今は眼鏡の九割はプラスチック製だな』
『危ない!!』『ゴンッ』『ぎゃあっ!?』
『おお、丁度眼鏡の話をしていたら、野球のボールが飛んで来て眼鏡にぶつかったな』
『“パリンッ”っていかなかったな。やっぱりプラスチック製だと割れないんだな』
『お前ら平然と話しているなよっ!!。あーっ、痛っ、でも確かに眼鏡は割れなかったな。バトル物の漫画やアニメで出て来る眼鏡をかけている連中は、今では少数派の硝子製の眼鏡をかけている事が証明出来たな』
『悪い、大丈夫か?』
近くでキャッチボールをしていたらしい奴が走って来て、謝ったから。
『ああ大丈夫、気にしなくていいさ』
自分はそう言うと、足元に転がっていた野球のボールを投げ返して、同級生達とそのまま歩いていつも通りに下校をしながら。
『なあ、漫画やアニメでさ…』
自分が懲りずに話を振ると、同級生の友人二人は苦笑を浮かべながら話を聞いてくれた。
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