[芹香編] 第4章 西村side

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「あ、西村さんお帰りなさ~い」 「た、ただいま芹香ちゃん」 華子のことで悩んでいたのにウッカリと、 昂くんと芹香ちゃんの絡みを思い出し、 …少し複雑な気持ちになった。 彼女自身は酔っていたから、 はっきりとは記憶に無いんだろうなあ。 でも、ごめん。 俺はシッカリ覚えてる。 ほら、芹香ちゃん色白だから。 上半身、裸だった姿が目に焼き付いて、 頭から離れないんだよ。 くうう。 …悶々としたまま、華子の隣りに座ると、 呑気に妹はこう言った。 「お兄ちゃん、私もこの家に住む!」 「は?」 あほか。 それじゃ俺がマンションを出た意味が…。 「1人暮らしって寂しいんだもン。 お兄ちゃんと一緒に仲良くココで暮らす」 「ダ、ダメに決まってるだろ!」 頬をポンポンに膨らませ、華子は続ける。 「あのね、すごく大事な話があるって、 山城麻里さんがマンションに来たよ」 「…え?山城さんが、どうして」 その名前を忘れられるはずが無い。 「お母さんと、哲哉お兄ちゃんには もう会ったとか言ってた。 お兄ちゃんの本当のお父さんのことで、 大事な話が有るんだってさ」 へえ、と相槌を打った後で ハタと気づく。 「華子?!お前『本当のお父さん』って、 俺たちのことを知ってたのか?!」 「え~っ、当たり前じゃないの。 おかしなお兄ちゃんねえ」
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