[芹香編] 第4章 西村side

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…華子、なあ華子。 俺、すごく視線を感じるんだけど。 ぐりん、と顔を斜め後ろに向けると、 L字型ソファの反対側の端で、 昂くんと芹香ちゃんが俺たちを ジーーーッと凝視していて。 み、見過ぎだし。 ていうか、昂くんッ! お前が華子に余計なことをバラすから、 こんなややこしいことになってるんだぞ。 ダメ押しで昂くんが言う。 「…うーん、じゃあさ、 俺は芹香ちゃんの部屋で一緒に住むよ。 華子ちゃんは俺の部屋にどうぞ」 は?…と言いたいけど、声にならない。 すると芹香ちゃんが代わりに彼を責めた。 「こっ、昂さん? なんでそうなるの??」 「俺たちそういう仲だってバレてるし。 いいだろ、もう」 慌てて俺も抗議する。 「いやいや、何を勝手に決めてるんだよ。 芹香ちゃんの意志を無視するな」 「だって俺、芹香ちゃんが好きなんだぞ。 いつでも一緒にいたいじゃないか」 なぜ逆ギレする?? この男、たまに常識が通じないんだよな。 て、手強い…。 「そうだよね、そしたらいつでも昂さん、 芹香さんとエッチ出来るもんね」 「は、華子ッ!!」 コイツはもっと手強い。 なんだろう、見えない結界が張られている。 昂くん&華子VS芹香ちゃん&俺。 勝てる気がしねぇ…。
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