[芹香編] 第4章 西村side

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「西村さんは華子ちゃんと同室を拒否か。 そもそも、この家は4部屋あるんだよな。 ってことは、ここに住んでいない弘樹の 部屋を使わせてもらえば万事解決する」 …え? …あ、昂くん?? そう言ったかと思うと、 彼は芹香ちゃんの兄に電話をし、 驚くほど呆気なく許可を得た。 「いいってさ。 んじゃ、弘樹の部屋に華子ちゃんINね」 「うわあい!やったあ!!」 目がテンになったまま、 俺と芹香ちゃんは首を揺らす。 「あのさ、昂くん。 部屋数の問題だけじゃなくて、 倫理的にどうかと思うんだよ…」 「ああ、ハイハイ」 また適当な相槌を打ちやがって。 「華子はまだ17歳だし、 しかも俺のことを好きとか言ってて。 何か過ちが有ったらどうす…」 「そんなことより山城さんの件、 どうすんのよ、お兄ちゃん」 そう言って話に割り込んで来た華子は、 なぜか勝ち誇っていた。 「向こうは会って直接話をしたいって。 連絡先を伝えるように言われたんだけど、 私がココに住むのを許してくれたら、 教えてあげる」 この知能犯めッ。 交換条件を出してきやがったな。 「別に、母さんか兄貴に訊くからいいよ。 絶対に俺は華子の同居を認めないからな」 「うぇーい、残念でしたッ。 お母さんも哲哉お兄ちゃんも味方でぇす」
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