[芹香編] 第4章 西村side

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はっ? 「だから一家総出で応援してくれてるの。 私とお兄ちゃんのこと。うふっ」 はっはっ? 「『華子が和哉のお嫁さんになるなら、 結納とか両家の挨拶が不要でいいわね』 ってお母さんはそう言ってた~」 はっはっはっ? 「哲哉お兄ちゃんなんてね、 『華子を人身御供にさせるみたいで、 悪いなあ』って謝ってくれたし」 あ~っ、もうッ。 おかしいだろ、ウチの家族!! 「若くて可愛くてしかも生娘だよ。 これで文句言われるなんて、心外だな」 「は…なこ…」 なんかもう、反論する気が失せた。 なに言っても無駄だ。 「ああ、もう勝手に住むなら住めよ! とにかく山城さんの連絡先を教えろ」 「は~い」 ずっと握っていたのだろう。 陽気に返事をした華子は、 ポケットから1枚のメモを取り出す。 「今週末まで、こっちにいるんだって。 なんかそれまでに会いたいとか言ってた」 「え。…こっちに住んでないのか?」 「さあ。ねえ、山城さんって誰?」 「うーん、何と言えばいいかな。 俺の実の父親の『愛人』って感じ?」 そう、山城麻里は当時、女子高生で。 俺たちから父を奪った張本人だ。 そして、父が最後に愛した人でもある。
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