[芹香編] 第4章 西村side

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…… 「和哉?まだ何を拝んでるのよ~」 「あ、うん。もう少し」 数日後の土曜。 墓参りをした帰りに実家へ寄り、 こうして仏壇の前で手を合わせている。 もちろん、初めてのことではないけど、 気持ちを込めるのは初めてだ。 相変わらず金魚のフンみたいに、 華子がくっついてきて、 寒いと文句を言いながら、 背後霊の如く後ろで手を合わせている。 「2人とも早くこっち来なさいよ、 温かいお茶を煎れたから」 義父は急ぎの仕事とかで、 今日は夕方までいないらしい。 「あぢっ」 母の煎れたお茶は驚きの熱さで、 舌を火傷しそうになりつつ俺は訊ねた。 「なあ、母さん。 ここにも来たんだろう?山城さんが」 「来たわよ」 即答。 母は良くいえば裏表の無い人なのだが、 悪くいえば、考えナシにモノを言う人だ。 「俺、ずっと父さんのこと誤解してて。 山城さんのお陰でそれが解けたから、 本当に感謝してる。母さんもそうだろ?」 …すると母は不思議そうな顔をして、 こう答えた。
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