[芹香編] 第4章 西村side

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「お母さんはね、いつでも許してきたの。 生活費を他人様にプレゼントしたり、 家族と一緒に過ごす時間を全部、 困ってる誰かに使っちゃうダメ男をね。 それを分かってくれてると思ってた。 私たちは家族という名の運命共同体で、 一緒に頑張ったつもりでいたのよ。 なのに、あの人どんどん悪い方に考えて。 自分だけ家族から疎まれてるとか思って。 女子高生の戯言なんか、 信じちゃいないわよ。 なのにあの人、言い訳してくれなくてさ、 すぐに私たちを諦めちゃった。 だから怒ったの。 『反省しろ!』と思って別居したのよ」 そう言いながら笑う母さんは、 少しだけ泣いているようにも見えた。 「でもあの人、死ぬ間際に言ったの。 もう意識も無くなって目も虚ろなのに、 最後の力を振り絞ってね。 >ありがとう …って。 なんかそれでもう、全部許しちゃった。 たぶんずっと、 苦労かけたという負い目を持ってて、 それで一緒にいるのが苦しくなって、 別居して一瞬ラクになれたけど、 やっぱり離れて分かったんじゃない? 家族って有り難いんだなあって。 だから、いいの。 お母さんは全部許しちゃったから」
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