[芹香編] 第4章 西村side

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…… 「ごめん、誰とも付き合う気はないんだ」 中学に入り、 何人かに告白されたが全部断った。 好きだの嫌いだの、 そんなことが異常に気持ち悪く、 嫌悪感を抱いていたからだ。 聖人君子に見えた父も、 結局は自分の子供くらいの年齢の 女子高生とヤッていて。 自分にもその血が流れていると思うと、 ゾッとする。 同じ兄弟でも、俺は特に父に似ていて、 たまに母が俺の顔を見て、 複雑な表情を浮かべることが有ったから。 だから余計、 神経質になったのかもしれない。 女子との接触を避け、自分を律し、 品行方正に生きていく。 そうすることにより、 自分で自分を安心させていたのだろう。 …それが。 「哲哉と和哉に会って欲しい人がいるの」 父が亡くなった3年後、 母が再婚すると言い出した。 相手は塗装工をしていて、 4歳の娘が1人いるのだという。 「初めまして!哲哉君、和哉君!! いきなりは無理だろうから、 徐々に仲良くなってくれると嬉しいなあ」 太陽のように明るいその人は、 父とは本当に正反対で。
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