[芹香編] 第4章 西村side

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…… 芹香ちゃんと昂くんの絡みを目撃し、 そのまま添乗に行って、 今から戻るところだ。 本音を言うと、かなり気まずい。 でもまあ慣れれば平気か。 ずっと俺にバレないよう、 気遣ってくれてたみたいだし、 その厚意に甘えよう…なんて思ってたら。 玄関ドアを開けて、驚いた。 「お兄ちゃん、お帰りなさ~い」 「う、ああっ?!」 瞳をキラキラさせて華子が俺を出迎える。 なっ、なぜだ? なんでココに?? 無邪気な顔して俺に抱きついてくるので、 頑張ってそれを離そうと試みた。 「うふふ、お兄ちゃんの匂い大好き」 「嗅ぐな、俺の体臭を吸うなッ」 離そうとすればするほど、 華子は必死で俺に抱きついてくる。 「お兄ちゃん、すき」 「ば、ばか。 誰かが聞いたら誤解するだろ、 早く離れろって」 ほんと、何の拷問なんだよ。 こんなに密着して、好きって言われて。 自分の人生を呪い始めた、そのとき。 華子が俺のネクタイの結び目を引っ張り、 ぎこちなくその唇を、俺の唇に重ねる。 …は、はああああ?!
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