「ユーチューバーになりたい」彼と、小説が上手くなりたい僕 改

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 「最近の小学生の、将来なりたい職業ナンバー1、はユーチューバーらしい」  すでに会社に退職届を出し、あとは正式に退社する日が決まるのを待つだけの身でありながら、GWに再就職先を捜すという行動に出ず、ずっとラノベを読んで過ごしていて、これからどうしようとも考えずに現実逃避している小金沢君に、私が休日中にネットで得た豆情報を教えてあげた。  「ユーチューバーになりたい!!って、博多華丸・大吉ですか?」  「無職になっちゃう小金沢君もいいんじゃない? YOU なっちゃいなよ、ユーチューバー」  仕事が終わって帰り道。  私が運転する車の助手席に、小金沢君は座っている。  私の帰り道に小金沢君が住むアパートがあるので、時間が合えば送ってあげる事は良くある事だったのだが、小金沢君は辞めてしまうので、もうこれから何度もないだろう。  「ユーチューバーには誰でもなれるんですよ。それで食っていける人がほんの一握りだけいるだけなんです。現実的じゃありませんよ」  「獏は夢を食って生きるんだぜ?」  僕はドヤ顔でそう言った。  「何をドヤ顔で言ってるんですか!!それは空想上のバクですよ!!獏は普通に草食動物です」
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