出会い

4/5
前へ
/5ページ
次へ
「ここだ。」 「ここって・・・?交差点ですね?」 そこは抜け道として使われている狭めの交差点。交通事故の多発地区だ。 軽トラが電柱に突っ込んでいる。 「あちゃぁ~・・・また事故があったんですね。気の毒に・・・。」 「あぁ、まったくだ。どうやら巻き込まれたようだな。」 人ごみの間から赤黒い筋が伸びているのが見えた。 ほぼ即死だろう。 「痛々しいですね・・・。でもなぜここに?」 大きなため息をつくとより冷たい目で俺を見る。 「そこの軽トラに轢かれた人間・・・それはお前だ。東雲 ハヤト。」 「へっ?」 「この空間は生きていた魂がさまよう場所。現世とあの世との境目だ。」 「いやいや!俺は生きてますよ?だって現に☆Death☆さんと話していますしっ・・・。」 「私は死神。お前のようなさまよう魂が凶暴化して世界のバランスを崩す前に成仏させてやるのが私の仕事だ。」 俺が死んだ?あり得ない!俺はあの交差点を何もなく通過してきたんだぞ?そんなことがあるわけが・・・ 「えっ?」 すうぅぅ・・・。 景色に色が無くなっていく・・・?! すべてが白黒の冷たい世界になっていく。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加