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「…わかったよ。ドーモ。ナイアルラトホテプ=サン。三影 龍介です」
「…なんかバカにされてるみたいで嫌です」
「どうだかな」
微笑みは変わりはしないが、寒気が弱まった気がした
一応納得はしてくれたようだ
「ではナイアルラトホテプよ」
「ナイアで構いません。そのままだと呼ぶには長いでしょう?」
「それはそうと、二つ…いや、三つほど質問してもいいかな?」
「答えられる範囲でなら構いませんよ」
「そりゃどうも。まず一つ目、なぜアイツをけしかけた?」
「そうですね…あの子は普段食べるか寝るかのどちらかです。なので、我々のように社会勉強をと思ったのです」
「…それで、自分の暇つぶしにでもなればと思ったのか」
「どうでしょうね?」
十中八九そうだろうが
もっとも、今更だとは思うが
「では二つ目だ。アイツをどうするつもりだ?」
「そうですね…あの子、貴方のことを気に入ってしまったようですし、暫く置いていただけませんか?」
「おいおい、一般家庭に邪神を住まわせろと?恐れ多いな」
「心にもないことを…」
「実感がわいてないだけだ」
「そうですね…確かに先立つものがないと納得していただけないでしょう」
そう言ってナイアは斜めがけのカバンから厚めの封筒を取り出した
カバンの膨らみが全く変わってないところを見ると、邪神特製の不思議アイテムか何かだろう
「女性の持ち物をじろじろと見るものではありませんよ?」
「よく言うよ、無貌の神がさ。今この場でも存在を変えられるだろうが」
「いえいえ、今暫くはこの姿でいようかと思っていますので。さ、どうぞお受け取りください」
「そうかい。では、遠慮なくいただ…」
受け取る直前で伸ばした手を止めた
一応確認をしておこう
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