第二話~その少女は

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それにしても… 「私のこと、可愛いと思いましたか?」 「…急にどうした?」 「外なる神と呼ばれるほどですから、それなりには生きているんですよ。なので、その時代に合わせることもできるんです」 「そりゃすごい。暇つぶしで人を破滅させるような奴は違うな」 「…いくら私でも怒りますよ?」 「俺としては賞賛したつもりだったんだがな」 「私には誤魔化しているようにしか聞こえませんでしたけどね」 「…どうだかな」 実際その通りだったため、これ以上返しようがなかった それを察したのか、ナイアはまたクスクスと笑い始めた 「三影さんはおもしろいです。もう一度お聞きしますけど、私の眷属になりませんか?」 「その問の答えは同じだ」 「そうですか」 ナイアは残念そうに笑いながら手を後ろに組み、その場でくるりと俺に背中を向けた 「さっきのノーコメントですけど…正確にはノープランです」 「どういうことだ?」 「本当のことを言えば、あの子は三影さんじゃなくて、もっと下衆な人に拾われて欲しかったんですけどね」 「へぇ?」 「それでしたら、もっと好きなように出来たんですけど…」 「それは悪いことをしたな」 「いえいえ、これはこれで楽しそうなのでいいんですよ」 背中を向けたままナイアは歩き出した 少し進むと足を止め、また俺の方に向き直った 「あの子、魅了の使い方がわかってないので苦労するかもしれませんけど、暫く頑張ってくださいね?」 「魅了?あぁ、あれか。視線で魅了とは、まるで…おっと」 「それを口にしたら怒りますからね?」 「悪かったよ」 「わかればいいんです。あ、その気になったらあの子に手を出しちゃっていいですからね?」 「その気になる時がくればな」 「楽しみにしてますよ。その時は覗くかもしれませんけど」 「…いいからもう帰れ」 「はい、失礼しますよ。あ、最後に一つだけ」 「まだ何か…」 「今度は私があの子に教えた方も見てくださいね?クトゥグアだけなんてズルいですから」 「…期待せずに待ってな」 「はい、期待して待ってます!では、今度こそさよならですよ」 ナイアは再び背中を向け今度こそ振り返らずに去っていった いっそのこと、さっきのことは夢にでもしてしまおうかと思ったが、手に持っているものの所為でそうはならなかった 俺は深く溜息を吐き、家の中へと戻った
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