第一話~触ってないのに祟りあり?

3/6
前へ
/66ページ
次へ
「どこかないものか」 陰を探して公園の中を歩いて回る 公園の真ん中には小高い丘のようなものがあり、それに沿うようにコースは円になっている 東西南北の四方に入り口があり、ショートカットにも使われている それなりの規模はあり、デートコースの一部に使われているとかなんとか…相手いないからよくわからないけど 外周面と丘の周りに木が植えてあり、外周面にはベンチが設置してあるため、休憩するにはいいところだ 「…お?」 と、ちょうど木陰にすっぽりと入っているベンチを見つけた ちょうどいい、ここにしようか 俺はベンチの真ん中に座り、隣に弁当と茶の入った袋を置いた フッと息を吐いて一息つく さて食べようかと顔を上げ…? 「…なんだ?」 ちょうど正面の木の下に何かが落ちているのが見えた 目を凝らしてみてみると…人か? 腰まで伸びた薄い水色の髪 服装は無地の白いワンピースで、靴は履いていない 大きさは中学生に成り立てで、ちょっと小柄な少女のような… 「お、おいおい!大丈…!」 駆け寄るために腰を浮かせようとしたところで止めた 何となく…何となくではあるが、アレには関わってはいけないような気がした 俺は落ち着くために袋からペットボトルを取り出し、開封して茶を口に含む程度に飲んだ ペットボトルに蓋をし、深くベンチに座って目を閉じた …OK落ち着こう 触らぬ神に祟りなし、か…全く持ってその通りだ ここは見なかったことにして、別の場所を探そう だが、せめて救急車くらいは呼んでやるか ここから離れた後でな
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加