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「よし、それでい…!?」
目を開けて少女が倒れている方を見た
…さっきと体の向きが変わっていた
同じくうつ伏せではあるが、丘に体の側面が見えるように倒れていたはずだ
だが、目を閉じていた間に頭は俺の方に向き、足は丘の方に向いている
…これ、何てホラー?
これ以上何か起こる前にこの場を離れようと、再び腰を浮かせようとした
その時、すぐ足下で小石が地面を転がるような音が聞こえた
確認して見るも、そんな物は落ちていない
聞き間違いだったのだろうと結論づけ顔を上げる
…少女は顔を上げ、ジッとこちらを見ていた
その目は気怠そうに半開きだった
「…」
少女は何か言いたそうにこちらを見てくる
これ以上は何かマズい気がする
俺は右手で弁当の入った袋を掴み、反対の手にペットボトルを持ってベンチから立ち上がった
そのまま足早に公園を去ろうとさっきまでの進行方向に体を向けた
そして一歩踏み出そうとしたとき、弁当側…右手を誰かに掴まれた
「…!」
何となく予想はできる…だが、もしかすると違うかもしれない
ゆっくり視線だけを動かして確認する
「…」
…やはり、その正体は倒れていた少女だった
小さな両手でガッチリと手首を掴まれている
「…何か用かな?」
少女は質問に答えるため、ゆっくりと口を開く…
「おなかすいた…」
・・・と言ったところで最初に戻る
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