第一話~触ってないのに祟りあり?

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「これたべていい…?」 「よくはないかな。これ食われちまうと俺の分がなくなってしまう」 「そう…」 「気は済んだか?俺はもう行くぞ」 掴まれた手を振り払おうと力を込めた …だが、まるで万力にでも掴まれたかのように全く動かなかった 「おなかすいた…」 暑さによるものとは違う嫌な汗が背中を伝う こいつにこれ以上関わってはいけない 再び少女は口を開く 「おなかすいた…」 「…これが欲しいのか?」 「うん、ほしい…」 「…そうか。なら、片手だけ離せ」 少女は言われたとおり、左手だけを放した と、同時にもう一度振り払おうと試みる …が、やはりダメだった 「うそ、ついたの…?」 「いや、そうじゃない。その放した手で俺が今持っているところを持ちな」 少女が左手でコンビニ袋を掴んだのを確認し、俺も右手を放す 「さ、これでいいだろ?」 少女は頷くと、残りの右手も放した 「あなたいい人…名まえは?」 「それはダメだ。それはやるがここまでだ」 「そう…」 「そういうわけだからさ…じゃあな!」 少女に背中を向け、手の茶を放り投げ家に向かって全力で走り出した その直後に何か聞こえた気がしたが、多分気の所為だろう
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