物忘れ

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「婆さん! 儂の眼鏡見かけなかったか?」 「またどこかに置き忘れたのですか? 一緒に探してあげますわ、って、私の眼鏡も無いわ。 何処に置いたのかしら?」 お義父さんとお義母さんが騒いでいる、どうしたのかしら? 「どうかなさいましたか?」 「あ! 嫁子さん良いところに来た。 儂と婆さんの眼鏡が見当たらないんだ、どっかで見なかったかね?」 「え――と、お2人の額の上にあるのがお探しの眼鏡じゃないのですか?」 「「え!? あ! あったぁ――」」 「何時もありがとう、息子より頼りになるわ」 「ウンウン、嫁子さんのお陰で探し物が直ぐ見つかる。 何時もありがとう」 「いいえどう致しまして。 それよりお茶入れましょうか?」 「嫁子さんお願い」 「はい、お待ちください。 (ハァ――。 お義父さんもお義母さんも最近物忘れが増えて来たように思うわ、でも、ボケられるよりは遥かに増しね)」
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