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玄介は、壊れた二枚の戸と、開かない窓の障子を見て、
「こりぁ、密室殺人じゃねぇかー!」
「さー、眼鏡の玄さん、この殺しを見事に解決してくれよー。お前さんは、岡っ引きなんだからー」
大家が言い放った。
「なに言ってるんですか……。岡っ引きになったのは、ほんの一月前だぜ……」
玄介が困っていると、障子の小穴を見ていたマヤが、
「ねぇ玄介さん、あの穴から誰かが熊吉さんを刺したとしたら、窓の向こうに凶器が落ちてるんじゃないのかね?」
「なるほど……」
玄介は立ち上がり、
「よし、裏へ回ってみよう!」
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