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その時、玄介は、自分の眼鏡をかけたままで、数回、上下させ、
「へへへ……。分かったよ」
それを見ていた大家が、
「ほー……。眼鏡の玄さんが、眼鏡を上下させたら、ひらめいた証拠――かい?」
「えっ、本当に?」
思わず希美が言った。
マヤも振り向いて、
「えっ、本当に本当に?」
「へへへ……。まーな」
玄介は、空の方を見ながら竹やぶの中に入っていき、一本ずつ寄り添っていった。
そして細い竹の先端を見上げた時、
「おー、見付けた。あったぜ」
全員が異口同音で、
「えっ、何が?!」
そして玄介の傍にいって、見上げてみた。
「ほら、あの先端でキラキラ光ってる物さ!」
マヤが呆然と見上げて、
「ありぁ……なんだい?」
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