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「将平くんは、お休みの日は何してるの?」
5月10日。
神社の本堂の裏にある、見晴らしの良い場所で、ふたり座って、眼下に広がる地元の街を眺めていると、唯が俺にそう聞いてきた。
「ここに朝来て、昼からはぶらぶらして、夜はたまに友達と遊びに行ってるかな」
「ふぅん。そうなんだ。」
唯が少し苦笑いの様な表情で呟いた。
唯はあまり俺の事を聞いてきたりしない。
俺はたまにバイトでの失敗とか、くだらない話をネタとして話すけど、唯の事を聞くことはしなかった。
自分のことは話さないけれど、唯の好きなこの神社の中での場所は色々教えてくれた。
今居るこの本堂の裏もそのひとつだ。
「って、そうそう。今日ってさ、お昼からになっちゃうけど、時間無いかな?唯に、買い物に付き合って欲しくて。」
そう言うと、唯は暫く悩んでいたものの、午後からは丁度予定も無かったらしく、了承してくれた。
唯が1度帰って準備したいと言うので、駅前で待ち合わせをすることにした。
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