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「音楽は‘プレイ’だけじゃなくて‘クリエイト’という楽しみ方もあるんだよ。
それをもう一つの音楽との向き合い方として緒方さんの選択肢に加えてみるのもいいと思うよ」
美羽は目から鱗な黛の提案に‘クリエイト’という言葉を口の中で反芻した。
「でも……私はそんな……作曲とかした事ないし……」
狼狽える美羽に、黛は優しく微笑んだ。
「緒方さんなら出来そうと思ったから、言ったんだよ。
もし少しでもやってみようという気持ちが起きたら、僕のとこにおいで」
ピアノに手を掛け、爽やかに微笑みながら言った黛はまるで何かのグラビアのようだった。
ドキンとした美羽は、裏返りそうな声で、はい、とだけ答えていた。
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