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「今確認したわ。オッケーよ。このままお願い」
了解、という声とともに通話口からはパソコンのキーボードを叩く音が聞こえた。
その音が絶え間なく続く中、男の言葉も続く。
「奈緒おばさん、感謝してくれよ。
俺が直々ホームページ作成、更新なんて今はまずないからね」
言葉に反し、その声は厭味な響きは無く明るかった。
「分かってるわよ」
奈緒も笑いながら答えた。
「奈緒おばさんならこのくらいの事はいくらでも出来そうなんだけどな」
キーボードの音は途切れない。
相手は携帯を顔と肩にでも挟みながらパソコンを操作しているのだろう。
「私は忙しいのよ。
仕事以外の事で煩わされたくないの。
だからこうしてアナタにお金払ってお願いしてるんでしょ」
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