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はいはい、と電話の向こうの男が笑っていた。
男の名は、緒方大河。若干22歳にして現在加入者が目下急増中のとあるソーシャルネットワークサービスの開発者だった。
今は大学を中退し、友人と立ち上げた会社を経営している、いわゆる青年実業家だ。
彼の家は、緒方家の本家と親戚関係にある。
しかし数年前、彼の両親が財産分与関係で揉めた為、本家とは絶縁状態となり、家族でこの地を離れ、都内に移り住んだ。
分家の緒方家とは細々ながらも付き合いが続いていた為、奈緒はアレンジメント教室の宣伝となるサイト運営を大河に託していた。
とりとめのない会話を続けていた奈緒だったがふとある事を思いついた。
美羽と同い年で中学まで一緒だった大河は、幼い頃から彼女の事を‘好きだ’と公言していた。
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