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「美羽は、今は――?」
何気なく、さりげなく、聞いた。
すると、一瞬キョトンとした美羽だったが、すぐに頬を染めた。
「な、何が、今?」
分かりやすすぎる動揺に、大河は、小さくため息をついた。
もっと早くこうする事ができていたら、違っていたのか。
生まれた悔やみに胸に感じた痛み。
綺麗になったのはそのためか、と大河は胸に走った痛みに微かに顔をしかめたが、直ぐに優しい笑顔を美羽に向けた。
「いや、いいよ、何でもない。
じゃ、せっかくだからメシ、食おうか」
「うん」
「少しは呑めるか」
「うん、少しだけなら」
「よし」
明るい爽やかな笑顔を見せた大河は、店員を呼んだ。
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