茶柱 #2

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「奈緒と何かあったのか」  和也の心配そうな顔を見、美羽はブンブンと首を横に振った。 その様子を見て、和也は美羽の頭を軽く撫でた。 「説明したくない事なら、無理にしなくてもいい」 「お父さん……」  優しい父の言葉を声に、美羽の胸が熱くなった。 しかし、少し前にあった奈緒との話しは、とてもする気にはなれなかった。 黙り込んでしまった美羽に和也は言った。 「何かあった事は、何となくわかった。 というのはね、実は――」  寝室の前で話す事が躊躇われたのか、和也は小声で話しをしながら美羽を階下のリビングへと促した。  和也の話では、こういう事だった。  常に威圧感を放つ舅が、今夜は急遽出張、となった。 その為、解放感に満たせされた和也は部下や同僚を連れて居酒屋に行き、したたか呑んできたのだ。 ほろ酔い加減で気分良く、いつもより遅い時間に帰宅した和也がリビングでみたものは。
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