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「奈緒と何かあったのか」
和也の心配そうな顔を見、美羽はブンブンと首を横に振った。
その様子を見て、和也は美羽の頭を軽く撫でた。
「説明したくない事なら、無理にしなくてもいい」
「お父さん……」
優しい父の言葉を声に、美羽の胸が熱くなった。
しかし、少し前にあった奈緒との話しは、とてもする気にはなれなかった。
黙り込んでしまった美羽に和也は言った。
「何かあった事は、何となくわかった。
というのはね、実は――」
寝室の前で話す事が躊躇われたのか、和也は小声で話しをしながら美羽を階下のリビングへと促した。
和也の話では、こういう事だった。
常に威圧感を放つ舅が、今夜は急遽出張、となった。
その為、解放感に満たせされた和也は部下や同僚を連れて居酒屋に行き、したたか呑んできたのだ。
ほろ酔い加減で気分良く、いつもより遅い時間に帰宅した和也がリビングでみたものは。
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