この関係を保つのか、それとも #2

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「でも心配しないで。明日何かの数値が上がるような食べ物は出さないようちゃーんと勉強したんだから」  腕捲りをした楓花は「腕よ腕」とからからと笑ってみせた。  透析患者はカリウムの摂取量に気を付けなければいけない。 カリウムを豊富に含むのは、野菜、果物。 それらを生で食べる事は極力避ける。 しかし、生で食した方が美味しいものに火を通すのは食事の楽しみを半減させる。 しかし、今夜の料理の数々は、工夫すればどんなものもちゃんと美味しく食べられる、というヒントが沢山詰まっていた。 「私ね、医食同源、っていう言葉が大好きなのよ。 美味しく食べる事が一番の薬だと思わない?」  今夜、大河がここに連れて来た理由が、美羽には分かった気がした。 「人間は、食と睡眠、これが基本だもんね」  あはは、と楓花と美羽が笑った時、大河のジーンズのポケットで携帯が鳴り出した。 ポケットから取り出し相手を確認した大河は席を立った。 「悪い、会社から。ちょっと外で話してくる」  携帯を手に、そう言いながら部屋から出ようとした大河だったが、足を止め楓花に向き直った。 「姉ちゃん、美羽に余計なこと絶対言うなよ!」
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