この関係を保つのか、それとも #2

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 美羽の胸に不穏な雲が垂れ込める。 「それは……?」  楓花が、フフといたずらっぽく笑った。 「年上キラーだから、忍君。 凄く印象に残っているのは……中学校の時の保健室の先生と噂になっていたってことかな。 あくまでも噂なんだけどね」  それは、楓花の何気ない思い出話。 しかし、美羽に、美羽の胸に計り知れない負荷を掛けた。  奈緒の言葉が美羽の中でリフレインしていた。 「忍が貴女なんかに本気になるわけがないでしょう!」  その通りかもしれない。 冷静に考えてみれば、兄が、自分のような幼い者に本気になどなる筈がない。 「お兄さんたら、スミに置けないのねー」  美羽は精一杯の明るさで、アハハと笑った。 何も知らない楓花は、でしょー、と一緒に笑っていたが。 「姉ちゃん、美羽が食べるタイミング失って困ってるだろ。昔の話はもういいよ」  ずっと黙っていた大河が二人会話を遮るように言った。 「あらホント、美羽ちゃんごめんなさいね」
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