この関係を保つのか、それとも #2

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 車の助手席のドアを開けた大河は優しく美羽を促した。 スマートなエスコートが厭味を感じさせることなく自然に出来る大河に、美羽は思う。  モテるんだろうな、大河。  仕事帰りと聞いていたからスーツなのかと思っていたが、意外にもラフな格好だった。 ジーンズにセンスのよいシャツを合わせ、ジャケットをはおる。 足の長いスタイルの良さが際立つ着こなしだった。 「スーツじゃないんだね?」  シートベルトをしながら美羽は大河に聞いた。 大河は縦列駐車していた車をゆっくりと出しながら、ああ、と答える。 「うちの会社のヤツはほとんどこんな感じ。 スーツは、そうだな……大学の入学式くらいでしか着たことねーかも」 「え、そうなの?」  驚く美羽にチラリと視線を送った大河がクッと笑った。 「だから、俺がスーツとか着たら七五三みたいになるぜ」 「しちごさん~?」  美羽もあははと笑った。
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