この関係を保つのか、それとも #2

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 大河はやはり、雰囲気づくりが上手い。 狭い車内をあっという間に居心地の良い和みの空間に変える。 車に乗る時のエスコートといい、この巧な空間作りといい、女性が放っておかないだろう。 美羽はふとあることに気づいてしまった。 「ねえ、大河」 「ん?」  ハンドルを握る大河は前を向いたまま美羽に返事をした。 車は駅前を抜け、国道に出ていた。 冬の夕方、短い日はすっかり落ち、テールランプの明かりがフロントガラスの先に連なる。 「助手席座る人……誰か決まった人、いるんじゃないの?」  美羽の遠慮がちな問いかけに大河はチラリ視線を送り、ニッと笑った。 「そんなのがいたら美羽なんか座らせてない」 「あ、そっかー、そうだよね、私なんか……って‘なんか’ってなに?」  美羽の軽いノリ突っ込みに大河はハハハッと明るく笑った。 「美羽なんかが気にする事じゃねーよ、っていう意味だよ」  優しい手にクシャッと頭を撫でられ、美羽は心に流れ込む爽やかな風を感じた。
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