26人が本棚に入れています
本棚に追加
耳に囁きかけられた吐息混じりの声に、美羽は肩を竦めた。
忍の腕の中で愛撫に震え、腕を伸ばしてその躯にしがみつく。
「んく……っ、はあっ」
クスリと笑った忍は声を漏らしそうになった美羽の口に自分の人差し指の第一関節をくわえさせた。
「噛んでろ」
密着した身体から伝わる熱は、芯を貫き、昇華する。
「んんーっ!」
美羽は、忍の指を噛みしめ、悦楽の波をやり過ごした。
肩で息をする美羽の身体を腕に抱く忍は、長くベッドにもぐったままだと酸欠になるな、とパッとブランケットを取った。
「今夜はここまでだな」
薄闇の視界が開け、外気の酸素が美羽の中に流れ込んだ。
ずっと感じていた忍の肌が離れ、急激に冷気を感じた。
「寒い……」
小さくためらいがちに呟いた美羽を、忍が再び抱きしめる。
美羽の躰が再び温もりに包まれた。
「美羽……」
最初のコメントを投稿しよう!