交差するものは #2
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電話を切った賢吾は、しばらくその場に立ち尽くしていた。 こんなにも、後味の悪い想いをしたことは、今までにあっただろうか。 自分は、一生後悔するのかもしれない。 しかし、ずっと抱えてきた忸怩たる想い。 叶うことのない苦悩は、どこにぶつければいい? 賢吾は、キッと顔を上げた。 「仕事、するか」 何かを吹っ切った男の決意は、言葉となり、吹き抜けた風に溶けて行った。
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