長い夜 #3

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「大河……」  ひざまずく大河は、そっと美羽の手を取った。 「俺は、ずっと美羽の傍にいるから」  美羽の胸が、どくん、と鳴った。  傍に。  その言葉に覚えがあった。耳元に、甘く囁くあの声は。 「そばに……」  掠れ、絞り出す美羽の声は震えた。 傍にいて欲しい、と願い、彼も傍にいる、と約束してくれた。 しかし、その真意は?  負い目によるもの?  実母の影を追っていた? 「大河は、私を見てくれるの?」  そんな言葉が美羽の口をついて出た。 大河は目を丸くして美羽を見つめる。 「美羽以外の、誰を見たらこんなことが言える?」
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