長い夜 #3

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 抵抗しようと強張っていた美羽の身体が柔らかさを取り戻し、大河は手を緩めた。 「美羽?」  涙を流して見上げる美羽に大河の胸がちくりと痛んだ。 美羽は大河の目を見詰めて言う。 「大河、私、あの日の大河の気持ち、聞いてなかったね。 教えて。教えてもらえないと、私、あの日の続きには進めない」  美羽の言葉に、大河は胸を打たれたように目を閉じた。 そして、崩れるように美羽の胸に顔を埋めた。 美羽は、大河の髪にそっと手を触れた。  嫌いになった男じゃない。 むしろ、好きだった、ずっと。兄との関係を築いてしまうまでは。 「そう、だよな」  美羽の胸元に響く、低い声。 忍の甘い声とは違うが、心の奥を震わせるような、心地よい響きを持った声だった。
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