長い夜 #3

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 忘れられない。きっと、自分は忘れられない。 あの日、大河と結ばれていたとしても自分は兄に惹かれてしまっただろう。  忘れられない。 そう言おうとした時だった。 「きゃっ、大河!?」  大河が、ガバッと美羽を横抱きに抱え、立ち上がった。 「俺が、忘れさせてやる」  抱き上げられ、見上げた美羽は瞬きも、言葉を発することもできなかった。  寝室のベッドに美羽を寝かせた大河は、少し強引に美羽の着ていたものをはぎ取った。 「大河っ! やめ……」  抗う手を掴んだ大河の表情は、少し辛そうに見え、美羽は言葉を呑み込んでしまった。 「忍兄さんと美羽は、兄妹だろ? 忍兄さんと美羽の関係は、許されるものじゃない。 忘れなきゃ、いけないだろ?」
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