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絞り出すような声だった。
本当は、こんな形で美羽を抱きたくはない。
けれど、こうでもしないと美羽と忍の関係を断ち斬らせることはできない。
大河なりに必死に考えた結果だった。
多少強引な、乱暴な形になろうとも。
美羽をこちら側に引き込む。
大河は、何か言おうとした美羽の唇を塞いだ。
その唇も、腕も手も、指も、息遣いも、全てが違う。
心に届く感触の違いに戸惑い、抗っていた美羽だったが、あっという間に大河の侵入を許してしまった。
強引なのに、その愛撫に優しさがある。
悦楽の境地に引き込む力を大河は持っていた。
「あっ、や……っ、あ、ぁっ」
腰を高くした四つん這いの体勢で、シーツを掴む美羽は俯き、寄せては引く波と闘う。
「美羽」
大河は、後ろから美羽の腰を優しく掴み、聞く。
「今、美羽のナカにいるのは?」
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