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胸が、きゅう……んと切なくなるような感覚が襲い、美羽はシーツに顔を埋めた。
「やだ……」
「言って、美羽」
「んんっ、や……ぁっ、ぁあんっ」
躰の中に、芯に、伝わる熱い体温に、心が抑制できなくなりそうだった。
美羽はシーツに顔を埋めたまま、首を振った。
大河は‘そのまま’の状態で美羽を背後から抱き上げた。
「これなら、答えられるか?」
「ああっ」
逞しい腕に抱きしめられ、耳元に吐息がかかった。
「んんっ、ふ、ぁ、あっ」
肩を竦めて身を捩じらせた美羽は、背中に大河の硬く厚い胸を感じていた。
大河の囁きが、胸に疼きを生む。
「美羽は今、誰の腕の中にいる?」
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